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2006年02月05日

モノづくり @ METAPHYS

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クリックすると明確に見えちゃいます

先日、大阪は北浜の証券取引所のアトリウムで開催されている「METAPHYS行為のデザイン展」にお邪魔しました。
この「METAPHYS」をプロデュースされるインダストリアルデザイナーの村田智明さんに初めてお会いしたのは去年の秋、そう、iD君史上、人生最大の転機とされる「発心→出家→発起→云々事変、(好きな事をやりたくて・・・秋)」が僕の中で起こった最中である。

場所は大阪のとあるセミナー、忘れもしない。「売れるデザイン発想法」というセミナー。正直タイトルには疑問を感じていたが、セミナーが始まった途端、そんなことはどうでも良くなった。


「行為のデザイン」

それが、今まで僕自身がカタチにしたかったデザイン。

「日本のモノづくり事情」について、疑問を持った村田氏は、「キレイな発想」のモノづくりをしたいと述べられた。
そういった環境が少ない事に対し、氏はこう続けた。

「自分で作ればいいんだ」

ハイ。僕もそう思います。んで、それが100%作用したわけじゃないけど、自分たちで会社を作るに至るようになったのです。
METAPHYSについては、メディアの反応もイイらしい。そりゃそうだと思う。
僭越ながら言わせてもらえれば、今の現状(皆まで言わないが)は、誰もが望んで作られた環境ではないと思う。
そこで、あるべきカタチにのっとった環境下でコントロールされるモノづくりに興味を感じるどころか、それがスタンダードでない現状に疑問を感じるのが普通だと思う。

猛然と馬車馬のように働く時代ではない。欧米諸国に対する鬱血したコンプレックスを一気に解消すべく団塊の世代が築き続けたカタチは、ひとつの時代が終わりを告げているんだと思う。

もう少し、その「行為のデザイン」というものに僕なりの解釈をつけて触れてみると、人は何かをする時、それに付随する行為をまとめてとらえる事でモノに対する判断をする。そのモノ自体の解釈はモノで始まり、モノで終わるものではない。
例えば、ひとつの行為(=掃除機をかける)というときには、まず「掃除をしたい」という欲求が生まれ、その欲求を満たすために「掃除機」を手にする。
その時に、一般的な家庭では掃除機は押し入れの中、また、部屋のデッドスペースなどに置かれている事が多い。
きっと皆さんにも経験があるだろうが、その掃除機を出してくるのが億劫で、掃除をしたい欲求が萎えてしまう。ましてや、コードのおかげで行動範囲もモノに制約される事になる。
だけど、掃除機が部屋のインテリアとして、しかもコードレスだったとしたらどうだろう。

これは一例だけど、ここには世間一般で言われる「デザイン家電」には無い、提案性やソリューションがある。

「行為のデザイン」はこれだけには留まらない。
そのデザインは「商品開発」から「流通」というところまでに達する。
METAPHYSにはそれをもプロジェクトの中に明確に盛り込んでいる。

日本には「デザイン」というものに対価を払うという意識と慣習がない。
ここまでの高い芸術性、応用力を持ってしてもである。
病院に行けば医療費を支払う事と同じように、デザインにはそれ相応の「価値」がある。

僕は、常々思うのだけど、前の日記にも書いた通り、変わらなきゃいけないのは「人」であるとおもう。
街を綺麗にするのには、ゴミをなくすためにごみ箱をあっちこっちに設置するのではなく、「人」がゴミに対する意識を変えなきゃイケナイ。
簡単な事ではないだろうけど、デザインにはそれを可能にする力があるんだと思う。

話は村田さんに戻るが、常々そういう意識を持っていたとしても、モノと言葉を同時に見せられれば、それに敵う説得力は無い。
僕はそれを体験し、先日もまたそれを教えて下さった人に会えました。
常に時代をとらえ、人の心をとらえる事がモノづくりだと思う。

今後、どういったカタチか分からないが「一緒に何かやりましょうよ」と力強く語りかけてくださった、氏の言葉を本当に嬉しく思うし、僕も期待に応えられるように、ジャンルは違うけど、同じデザインをする仲間として胸を張ってモノづくりをしていきたいと思う。
僕のカタチクリエータという名前の所以である、「人と人とのカタチを作る」というコンセプトに恥じないように。

また違った局面からのパワーあるクリエーター達がきっと世の中を小さな事も大きな事も、世の中をより良いものに変えていくに違いないと僕は確信しています。

皆さんも興味があればこのMETAPHYSの世界に触れてみて下さい。

印刷・ホームページ制作はstudiobp

コメント

行為のデザイン展の感想、ありがとうございます。今日、青山ブックセンターでのトークショーを終えてきましたが、やはり、話はデザインをする以前のデザイン、つまり、デザインしやすい環境作りからデザインしていくことが、今の我々に課せられているという内容について、言及することができました。一人でも、こういったことに気づいて頂ければ、我々を取り巻くデザイン環境はもっと良くなるでしょうね。

> 村田様
コメントありがとうございました。
やはり、いい環境づくりはモノ作りに関わらず、大切なことですよね。
どの分野でも忘れがちなことかもしれません。
僕も微力ながら今後のそういった環境づくりの一端を担うものとして尽力していきたいと思います。また、お話をご一緒できることを楽しみにしています。

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